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3月12日からのギャラリーdziでの個展は開催します。「~つなぐ~」「モチーフと技法」について

  今回の展覧会のタイトルを「つなぐ」としました。  ここ15年来、「継承」「連鎖」「発生」「再生」「終焉」などの言葉を組み合わせて絵のタイトルを付けていました。最初にこのテーマを思いついたきっかけは、剪定した木の枝などを積んである物などをめくってのぞき込んだときに、切られた枝が芽吹いていたり、昆虫などの新しい命が生まれていたりするのを見たことからでした。この世に何一つ無駄な物はないように思えました。それから、がれきのような物たちを描き始めました。  考えてみれば、私たちは仕事をしたり絵を描いたりして生きていますが、自分の与えられた命を「つないでいく」ことが本来の使命ではないかと思います。教育や文化もそういう一面があります。私たちの文化は前の文化の上に塗り重ねられて、変化して発展しています。文化を「つないで」います。  また、食べることを考えてみてもそうです。私たちは命あったものを食べて生きながらえています。他の生き物の命に支えられて生きています。命が命を「つないで」います。そんなことをテーマにして絵を描いてきています。  もうひとつ、昔から西洋の祭壇画が好きでした。祭壇画は閉じたときと開いたときで絵が変化します。数年前から新制作展に出品する作品は祭壇画のように左右の端が折りたためるような絵にしています。そして、展示するときは左右の翼部分がわずかに内側に折れるように額装してあります。  そして、ここ数年で東京上野の国立博物館での屏風の展示、東京芸術大学美術館での円山応挙展での屏風を見て、屏風にも興味をもちました。屏風にすると絵を壁に掛けなくてもよい。置いておける。そして、屏風の折れにより不思議な奥行きを絵に与えるとともに、視点が左右に動くことで絵に変化を与えます。  絵を「つなぐ」ことで、祭壇画や屏風は生まれる。  これらのことから、この「つなぐ」という言葉が、展覧会のテーマに一番相応しいように思えてきたのです。 モチーフ(「蝶」と「タマゴ」)について  私の絵には蝶が登場します。ヘレナ・モルフォという蝶です。なぜこの蝶を描くようになったのでしょうか。  幼い頃、母の友人宅を訪れたときに、壁にヘレナ・モルフォの標本が飾ってあり、その色にとても惹かれた記憶があります。そして、学生時代に蝶の標本の図鑑を買いました。全ての蝶の標本の写真を実物大でカラー印刷したものでした。

3月12日からのギャラリーdziでの個展は現在のところ開催する予定です

 

2021.2.1-7